【自動開閉する床下換気口(通気口)】

イトウビルドの「呼吸する家」には、
形状記憶合金で自動開閉する床下換気口(通気口)が付いています。
これが、冬になったら寒さを防ぐため自動で閉じるんです。

形状記憶合金とは
簡単にいうと元の形を覚えることができる、
2種類以上の金属を混ぜ合わせたものです。
現在最も多く使われているのは、チタンとニッケルの合金です。

普通の金属は原子が規則正しく並んだ結晶です。
力を加えると結晶が切れてバラバラになり、
元の形に戻ることができません。

形状記憶合金は原子の結び付きに余裕があります。

高い温度では上下左右の結び付きはしっかりとしているのが、
低い温度では上下の結び付きだけゆるくなります。
そのため低い温度の時に自由に形を変えることができ、
熱を加えると元の上下左右のしっかりとした形に戻るんです。

形状記憶合金のバネ
「呼吸する家」の床下換気口に形状記憶合金のバネを使っています。

しくみとして、通常バネと形状記憶合金バネを連結させ、
2つのバネが引っ張り合う状態にします。
気温が高いと形状記憶合金バネは変形しないので、
通常バネを引っ張りその力で床下換気口を開いています。
気温が低くなると形状記憶合金バネが通常バネに引っ張られ、
伸びてしまうことで床下換気口が閉じるんです。

また気温が高くなると形状記憶合金バネが元の形に戻り、
通常バネを引っ張ることで床下換気口が開きます。

これにより面倒だった床下換気口の開閉が、
気温に応じて自動で開閉し手間いらずになるのです。

形状記憶合金で衣替え
「呼吸する家」は通気層が床下から壁を通り屋根裏に繋がっていて、
形状記憶合金を使った通気口が3つの場所に取り付けています。

一つ目は、外と床下の通気口。いわゆる床下換気口。
二つ目は、床下と壁の一番下の通気口。
三つ目は、屋根裏と外の通気口です。

気温が高い時期は各通気口が開いてどんどん空気が流れ、
上昇気流によって遮熱の影響を軽減し涼しいです。
寒くなると各通気口が閉じて通気層が断熱層になります。
通気層の外側を断熱材が包んでいるので、
家がすっぽりと断熱材に包まれ暖かくなります。

まるで夏はTシャツで過ごしていた家が、
冬にセーターを着込むように衣替えしているようです。
季節に応じ家自体が夏向きと冬向きに変わるのを
形状記憶合金が気温に反応して自動で行っているのです。

気温で自動開閉する床下換気口は、
リフォーム用に後付けできるタイプもあります。

「呼吸する家」詳しくは → http://itobuild.co.jp/?page_id=3500