桐の話

昔から大切な着物を湿気や虫から守るのに、桐のタンスが使われていました。
これは、桐そのものが湿気を調整し、防虫・抗菌効果のある素材だからです。
イトウビルドでは、押し入れなどの収納に桐を使っています。

桐は木?草?
桐は「木と同じ」と書くように、「ゴマノハグサ」科に属する草の仲間です。
だからその成長は早く、20年位で成木になります。
下の写真は桐の木を切った断面です。
中心に草の茎にあるような管が見えます。

成長が早いことで、女の子が生まれたら桐の木を植え、
結婚の際にタンスを作って嫁入り道具にした。
そんな風習もあったそうです。

桐の特性①(防腐・防虫効果)
桐の板には、タンニン・パウロン・セサミンという成分が含まれていて、
これらが抗菌効果のみならず、防腐・防虫効果を発揮します。
腐らず、虫を寄せ付けず、カビが生えにくいということです。
桐のタンスなど、表面が黒くなるのはタンニンが変色しているだけです。
心配いりません。

桐の特性②(調湿・保温効果)
桐は多孔質で、小さな空洞がたくさんあります。
この空洞は湿気が多いときに水分をため込み、
乾燥してくると吐き出して湿気を調整してくれます。
また、空洞は保温効果もあるため、
じっと座っているとお尻がポカポカしてきます。
まるで床暖房が入っているかのようです。

桐の特性③(その他の特性)
多孔質で空洞が多い分、柔らかくて軽いのが桐です。
柔らかさは足腰にやさしく、軽さは家具にしても持ち運びが楽です。

また、燃えにくいという特性から金庫の中に使われていたり、
防音効果が高かったり、音響制に優れているなどの特性があります。

柔らかいとヘコむ?
無垢材の心配は、キズやヘコむことではないでしょうか。
無垢材は、硬いものから柔らかいものまで様々です。
桐はその中でも柔らかいです。

でも心配はいりません。

ヘコんだ部分にぬれタオルを当て、アイロンで温めて下さい。
つぶれた多孔質の空洞が、温めることでふくらみ、
へこみが元に戻ります。
キズはサンドペーパーでなめらかに出来ます。
一般的に使われている合板フロアではこうはいきません。
表面の印刷された木目などがはがれると、違う素材が出てしまいます。

桐の特性を活かす
調湿・防虫・抗菌効果のある桐を使うことで、
押入やクローゼットが桐のタンスのようになります。

柔らかく保温効果のある桐は、床材としても優れています。
素足で歩くと気持ちがいいです。
ベタベタしません。
冬の寒い朝でも冷たくなりません。
素足で歩くことが多い寝室の床におすすめです。

モデルハウスでは、収納に使っているのをご覧いただけます。
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